吹奏楽におけるトランペット1stは花形ですが責任が重く大変なポジションです。音が高い、体力が持たないなど自分に取っては荷が重いと焦ってしまうこともあります。本記事では、1stが吹けない場合の対策をまとめました。
短期対策
トランペットの上達は地道な練習しかないので、残念ながら2,3日で急激に上達するような裏技はありません。本記事での対策は、1人で1stを吹ききるのではなく、周りと協力して曲を作り上げることを基本としています。
2人以上で1stを担当する
演奏箇所を分担することで、他のトランペット1stに演奏を任せて、自分は休む時間を作る方法です。一番分かりやすい体力温存方法だと思います。
曲にもよりますが、トランペット1stで全て最後まで吹ききるのは至難の業です。特に学生だと、全部自分が吹かないといけないと思い込んでいる場合があります。しかし、分担はプロもやっていることなので、全く問題ありません。
曲として1stの音が鳴ってれば大丈夫なので、パート内で相談して分担箇所を決めて、担当箇所をしっかり演奏しましょう。
当たり前ですが、トランペットパートの人数が足りていない部活や楽団では、当然難しい案になります。人が足りていない場合は、OBや知り合いを呼ぶなどしてサポートしてもらいましょう。
2nd,3rdに任せる
トランペットは1stだけでなく、基本的に2nd3rdのパートがあります。(曲によって増減します。)
高い音は低い音より聞こえやすいという性質があります。そのため、基本的に1stは一番高い音を吹いているので、2nd,3rdより音量を出す必要ありません。2nd,3rdにつられて必要以上に吹きすぎてバテないように意識しましょう。
以下に、特に2nd,3rdを頼ると楽になるポイントを挙げます。
ユニゾン
2nd,3rdと同じ音(ユニゾン)を演奏する場合は、2nd,3rdにしっかり吹いてもらい、1stは力を抜いて演奏しましょう。
オクターブ
オクターブ(例えばドと、上のド)の場合は、上の音に対して、下の音が大きいとバランス良く聞こえます。
2nd,3rdがオクターブ下の音を吹いている場合は、1stに対して2倍ぐらい吹いてもらうイメージでちょうど良いバランスになります。2nd,3rdにしっかり演奏してもらって、1stはそこに乗っかる感覚で演奏すると楽に吹けるでしょう。
和音
1stが基本的に和音の一番上の音を演奏するので、最も聞こえてくる必要がありますが、頑張りすぎる必要はありません。2nd,3rdの音程や音量を聴き、1stとして適切な音量や音程を吹くことで、余計な力をかけずに演奏することが出来ます。コードが理解できる人は、曲の中のコードを全て調べて、各和音の適切な音程まで意識できると、さらに楽に吹けるようになるでしょう。
上記のポイント以外でも、仮に1stが吹けてたとしても、他のパートの音を把握することは必要です。2nd,3rdが何を吹いているか把握できていない場合は、ちゃんと2nd,3rdの楽譜を見直しましょう。
2nd,3rdは経験の浅い人が任される場合もあるので、パート練習でしっかり演奏して欲しいポイントを教えてあげましょう。逆に2nd,3rdの立場になったら、1stを支えてあげる演奏を意識しましょう。
他パートの演奏を把握する
トランペットパート内の演奏を把握したら、次は他パートの演奏を把握しましょう。
ポイントは大きく2点です。
全員で演奏している箇所は力を抜く
みんなで吹くとこは安心して吹いてしまうのですが、ここは頑張らなくて大丈夫です。むしろバランスを意識して、力を抜いて演奏しましょう。(※小さい音で吹け!ということではありません。)
同じメロディーを吹いているパートを探す
トランペットはメロディーを吹くことが多いですが、他の楽器と一緒に同じメロディーを吹くことがあります。特にクラリネットやサックスなどの木管楽器と一緒のことが多いです。トランペットだけだと思い込んでいると、必要以上に吹いて体力がなくなってしまいます。同じメロディーを吹いているパートを把握して、ここでも力を抜いて演奏しましょう。
他でもトランペットが吹く箇所は、他パートの演奏を把握した方が良いです。例えばトランペットソロだとしても、低音楽器の動きを知っているほうが、不思議とうまく演奏できるということはよくあります。スコアを手に入れて他パートの動きをしっかり確認しましょう。
中長期対策
そもそも音が高くて出せない、分担してもバテてしまうなどは、中長期的に技術を向上させる必要があります。大切なことはトランペットの”ツボ”を捉えることです。ツボを捉えると余計な力が抜けて、バテにくくなります。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
プロのレッスンに行くことも大切です。独学だと間違った練習法を続けてしまうかもしれませんが、レッスンでは正しい奏法や練習法を教えてもらえるので、最短で上達する可能性が高くなります。
まとめ
トランペットの1stは大変なポジションですが、周りに目を向けると案外何とかなる場合もあります。日頃から上達のために練習はしつつ、周りがどのような演奏をしているか把握することも大切にして下さい。