トランペットの演奏に慣れてくると、「速いパッセージがうまく吹けない」と感じる場面が増えてきます。そんなときに習得したいテクニックが ダブルタンギング と トリプルタンギング です。
この2つは、スピード感あるフレーズをスムーズに演奏するための重要な技術です。今回は、それぞれのタンギングの特徴や練習方法、初心者でも無理なく始められるコツを紹介します!
1. 通常のタンギングとの違い
まず、通常のタンギング(シングルタンギング)は「トゥトゥトゥ」と舌を前歯の裏に当てて音を区切る方法です。
発音イメージ: T T T T…
通常のタンギングについては、以下の記事も参考にしてください。
これでテンポが速くなってくると、だんだん舌が追いつかなくなります。そこで登場するのが、ダブルタンギングやトリプルタンギングです。
2. ダブルタンギングとは?
舌の前側(T音)と後側(K音)を交互に使うことで、速いタンギングを可能にします。
発音イメージ: T K T K…
「トゥク トゥク」と発音するイメージです。
3. トリプルタンギングとは?
● 発音の仕組み
ダブルタンギングと同様に、K音の発音を用いたタンギングです。ダブルタンギングだと三連符系のフレーズが吹きづらいので、トリプルタンギングを使う場合が多いです。
発音イメージ:
- T K T / T K T…
- T T K / T T K…
「トゥクト トゥクト」もしくは「トゥトゥク トゥトゥク」と三連符を意識したタンギングです。
Kの発音がどうしても弱くなるので、強調したい音が”T”の部分になるように、フレーズによって「TTK」と「TKT」の2通りのトリプルタンギングを使い分けます。
4. 練習方法のポイント
①ゆっくりから始める
いきなり速く吹こうとせず、ゆっくりとしたテンポで「トゥク」「トゥクト」の発音をはっきりと行うことが大切です。特に「ク」の発音はしっかりしましょう。
②発音練習を取り入れる
トランペットを持たずに、日常の中で「トゥク」「トゥクトゥク」と声に出して練習するだけでも効果があります。まずは舌の動きをスムーズにすることから始めましょう。
③単音からフレーズへ
最初は単音で「トゥクトゥク」と鳴らし、慣れてきたらスケール(音階)や簡単なフレーズに応用していくのがおすすめです。曲の中で自然に取り入れるように意識しましょう。
教本を用いて練習を重ねていきましょう。
5. よくある失敗と対策
よくある悩み | 対策方法 |
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K音がうまく出ない | 息をしっかり出すこと、発音を「ク」ではなく「カ」に近づける |
音が汚くなる | 息の流れが途切れないよう、発音よりも「息の支え」を重視する |
舌が疲れる・もつれる | ゆっくりの練習を重ねて舌の動きを自然にすること |
6. まとめ:速いフレーズも怖くない!
ダブルタンギングとトリプルタンギングは、速いパッセージを滑らかに吹くための心強いテクニックです。慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、焦らず少しずつ練習を積み重ねていけば必ず身につきます。
音楽の表現の幅を広げるためにも、ぜひ日々の練習に取り入れてみてください!