「最近なんだか音が出にくい」「うまく音が当たらない」「音程が安定しない」「響きが鈍い気がする」――
そんなとき、あなたはまず何を疑いますか?
トランペットの不調にはさまざまな原因がありますが、まず最初にチェックすべきは楽器そのものの状態です。特に初心者の方は「自分の吹き方が悪いのかも…」と悩みがちですが、実は楽器側に原因があることが多いです。
この記事では、調子が悪いと感じたときに真っ先に考えるべきポイントを、順を追ってご紹介します。
他の人に自分の楽器を吹いてもらう
最も手っ取り早く、かつ客観的に楽器の状態を判断できる方法です。
信頼できる上級者や指導者にお願いして、あなたの楽器をそのまま吹いてもらいましょう。
- 他の人が吹いても同じように調子が悪い → 楽器側に問題あり
- 他の人が吹くと普通に鳴る → 吹き方や口の状態、体調の可能性
この1ステップだけで、トラブルの切り分けがかなり明確になります。
管内に汚れや詰まりはないか?
意外と多い原因が「管の内部に詰まりがある」ケースです。
- スライドや管内にゴミ・埃・水分が溜まっている
- 唾抜きの部分が詰まっている
- ピストン周辺に汚れがこびりついて動作不良を起こしている
こまめに掃除をしていても、見えないところに汚れは溜まるものです。特に水分や細かなゴミは気づきにくいため、定期的な全体洗浄が大切です。
- ピストンがスムーズに動かない
- 息がどこかで詰まるような感覚がある
- スライドの動きが重い
これらに当てはまる場合、洗浄や注油を見直してみましょう。
楽器の経年劣化を疑ってみる
楽器は金属製でも、使用や経年によって少しずつ劣化していきます。以下のような症状が出ることもあります。
- ピストンの摩耗による気密性の低下
- 管の歪みや微細な凹み
- ハンダ部分の剥がれや空気漏れ
- バルブケーシング内部の腐食や劣化
特に古い楽器を使っている場合、定期的なメンテナンスや点検が不可欠です。プロに見てもらうことで、表面ではわからなかった不調の原因が明らかになることも多いです。
筆者は10年以上同じトランペットを使っており、以下のような症状がありました。
- ウォーターキーのバネが水分により腐食して、折れてしまった
- ピストンのフェルト部分がへたってしまい、ピストンが下がり過ぎていた(音が外れやすくなっていた)
チェックして問題がありそうなら、自分で解決せず、専門店での点検・修理を検討しましょう。
まとめ
調子が悪いとき、まず疑ってほしいのはあなた自身ではなく、楽器の状態です。もちろん演奏技術や体調の影響もありますが、意外と多いのが楽器の不調です。
- 他の人に吹いてもらう
- 管内洗浄をする
- 経年劣化を疑う
これらを丁寧に確認し、問題があれば早めに対処することで、より快適にトランペットを演奏することができます。
「自分の技術の問題かも…」と悩まず、まずは楽器を確認してみましょう!