【トランペット】オーケストラにおける役割は?吹奏楽との違い4選

トランペット

オーケストラでのトランペット役割をご存じでしょうか?

筆者は中高時代に吹奏楽でトランペットを始めましたが、大学に入学後、オーケストラをよく知らずに大学オーケストラに所属しました。

おそらく当時の私だけでなく、多くのトランペット初心者にとって、オーケストラはよく分からない世界だと思います。

本記事では、「オーケストラにおけるトランペットの特徴と役割」について、吹奏楽との違いも併せて解説します。


オーケストラの特徴

音数が少ない

吹奏楽では、トランペットは演奏機会が非常に多く、しばしばメロディーの中心的な役割を担います。
一方、オーケストラにおけるトランペットの出番は、音符の数が少なく比較的限られています。

そもそもトランペットは、現在のように自由に音域を操れる楽器ではありませんでした。
そのため、かつては打楽器のように効果音的な役割を担い、メロディーは主にバイオリンや木管楽器が担当していたのです。
その影響もあり、トランペットの音符の数は少なく、曲の中で登場する場面も限定的でした。

時代の進化とともに、トランペットの技術や表現力が高まり、オーケストラ作品でも登場シーンが増えました。
それでも吹奏楽と比べると、オーケストラにおけるトランペットの音数は今なお少なめで、
必要な場面で「ここぞ」というタイミングに登場する存在と言えるでしょう。


パートの人数・構成

オーケストラでは少人数で演奏

オーケストラにおけるトランペットは、通常2〜3人編成です。
曲によっては1人編成のこともあれば、4人に増えることもあります。さらに、「バンダ」と呼ばれる、舞台裏や客席などステージ外から演奏する特別なパートがある場合には、追加で数人編成されることもあります。

吹奏楽では、1パートに複数人が割り当てられることも多いですが、オーケストラでは1つのパートを1人で演奏するのが原則です。
そのため、各奏者の責任が非常に大きく、より精度の高い演奏が求められます

また、体力面の負担を軽減したり、音量が必要な場面では、1stパートを2人で分担することもありますが、基本的には少数精鋭での演奏がオーケストラのスタイルです。

コルネットの使用もある

作品によっては、トランペットとは別に「コルネット」パートが指定されていることもあります。

その場合、トランペット1st・2nd、コルネット1st・2ndのように、それぞれ独立したパートが用意され、計4人で編成されるケースも見られます。
ただし、これらはすべてトランペット奏者が担当するのが一般的です。

ちなみにオーケストラに限らず、吹奏楽でもコルネットパートがある作品もあります。

楽譜がinB♭とは限らない

吹奏楽では、B♭トランペットが主流であり、基本的にin B♭の譜面しか使用されません。
そのため、奏者はあまり移調を意識せずに演奏することができます。

一方で、オーケストラでは inC や inA など、さまざまな調に移調された譜面(移調譜)が登場します。
これは、かつてのトランペットにはピストンがなく、音程を変えるには管の長さが異なる楽器を持ち替えて対応していたという歴史の名残です。

そのため、オーケストラのトランペット奏者には、楽器の持ち替え移調譜の読み替えといったスキルが求められます。
特にプロの現場では、C管とB♭管を使い分けるのが一般的で、曲や作曲家の意図に合わせて最適な楽器を選びます。

ちなみに筆者は、in C・D・E♭・E・F・A・B・Hなど、実にさまざまな調の譜面を見たことがあります。

長い曲が多い

オーケストラでは、演奏時間の長い曲が多いのが特徴です。
短い小品もありますが、たとえば交響曲のような大作は40分前後が一般的で、1時間を超える曲も珍しくありません。

一方、吹奏楽では長くても20分程度の曲がほとんどです。
そのため、オーケストラの曲は、吹奏楽曲に比べて演奏時間が長く、集中力を保つ時間も長くなる傾向があります。

実際のオーケストラの演奏会は、1回あたり約2時間程度が一般的で、よくある構成は以下のようなものです:

  • 10分前後の小品
  • 20分前後の協奏曲など
  • 40分前後の交響曲など大曲

合計3曲ほどが演奏されるのが一般的です。

とはいえ、トランペットは出番が限定的なことが多く、休みの小節も多いため、
ずっと神経を張り詰める必要はありません。
ただし、出番が来たときに最高の音を出せるように、集中力をうまくコントロールすることが求められます。

オーケストラに興味があるけれど迷っている方へ

オーケストラに興味はあるけれど、自分にできるか不安…そんな方も多いのではないでしょうか。

筆者としては、ぜひ一度オーケストラの世界に飛び込んでみてほしいと思っています。
とはいえ、トランペット初心者の方には、まずは吹奏楽団に所属することをおすすめします。

吹奏楽では、1つのパートを複数人で演奏するのが一般的なので、多少ミスしてもカバーしてもらえる安心感があります。
一方、オーケストラでは前述の通り基本的に1パート1人のため、自分一人で責任を持って吹く場面が多くなります。

もちろん、「絶対に吹奏楽から始めないといけない」ということではありません。
筆者自身はオーケストラが大好きですし、興味があるなら最初からオーケストラに挑戦するのもアリだと思っています。

まずは、近くのアマチュア吹奏楽団やオーケストラ楽団を調べてみて、見学に行ってみるのがおすすめです。
実際に演奏現場の雰囲気を感じて、自分に合いそうかどうか確かめてみましょう。

まとめ

簡単ですが、トランペット視点でオーケストラと吹奏楽の違いを紹介をしました。

オーケストラにおけるトランペットの演奏は、吹奏楽とは違う難しさと魅力が共存しています。興味がある方は、是非オーケストラでトランペットを吹いてみてください!

色々不安という方は、レッスンで相談してみましょう。

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